子宮内フローラ

腸内や皮膚、口内に関しては様々な菌が潜んでいることが指摘されてきましたが、子宮内は無菌だと言われていました。しかし、近年、子宮内にも善玉菌・悪玉菌の両方が存在していると発見されました。
常在菌の多くは、疾患を引き起こす可能性をもつ悪玉菌を排除する機能があり、生命を守るうえで良いとされています。この常在菌は腟内にも存在しており、腟内には、ラクトバチルス属という善玉菌が存在していることが解明されています。ラクトバチルス属は、善玉菌として乳酸を作り、細菌性腟症や性感染症、尿路感染症の原因となる、細菌の繁殖を防ぐ役割を担っています。
しかし、ラクトバチルス属のような常在菌（善玉菌）が上手く機能せず、細菌が子宮頸管（けいかん）を通って子宮に到達すると、不妊の原因となる子宮内膜炎や卵管炎、骨盤腹膜炎が生じるリスクが高くなります。特に細菌性腟症を抱えている妊婦は、自然流産のリスクが9.91倍、早産のリスクが2.19倍に上昇するという研究結果が報告されています。
不妊に悩まされている女性は、腟内にいる善玉菌の数が少ない傾向にあることも指摘されていますので、不妊にお悩みでしたら、一度子宮内フローラ検査をご検討ください。